農哲副読本 農から学ぶ「私」の見つけ方(8)
○自分を知る
今の自分を受け入れるには、「自分は何者か」を知ることでもあります。自分のことはよく知っている・・かもしれませんが、本当ですか。
自分を知るためには、まずあなた自身が創りだした「独自の世界(硬盤層)」の存在を知り、その姿を知ることです。そのために、あなたの「怒り」はどこから来るのかを考えてみましょう。あなたを怒らせているのは外の「何か」であって、自分のせいではありません。確かに、自分が怒っている現象は「外」で起こっていますね。でも、それを受け止めて自分の中に怒りを生みだしたのはあなた自身です。
外で発生した怒りの波動と同じ波動を自らの内に有する時、それらは共鳴して、怒りの感情が生まれます。
内に有する怒りの波動は心の硬盤層の中に有しています。ですからさまざまな感情が湧き起こった時が、自分を知るチャンスでもあります。その感情が沸き起こった原因を自分の中に探します。そしてその存在に気づいたら、そういう自分を受け入れます。その感情の原因は、過去の自分が取り込んでいたモノです。その存在を受け入れることで、手放すことが可能となります。そして硬盤層の一部が消えていきます。
感情が動く-原因に気付く-自分を受け入れる(許す)-硬盤層が消える
という関係を見つけた時、私はとても興奮しました。
そしてネガティブな感情が湧きあがった時、まるでゲームを楽しむような感覚で、心の硬盤層を消していきました。
しばらくそれを続けると、周りの出来事に対して感情が動くことが少なくなってきました。するとストレスも小さくなってきて、楽に生きていけるようになってきました。
しかし何かが変なのです。シーンとしていてちっとも楽しくありません。楽ではあっても楽しくないのです。むしろむなしくなってきました。人間が生きていくうえで喜怒哀楽といった感情はやはり必要なのです。心の硬盤層を消すという行為は、中真とつながるための手段であり、決して目的ではありません。消した後に何をするかが大切だったのです。
ネガティブな感情が小さくなったのなら、ポジティブな感情を大きくしてあげればいいのです。そのためにも本当(あるがまま)の自分の姿を知る必要があります。自分を知るとは、硬盤層に覆われた今の自分の状態を知り、その奥に隠れている本来の自分を知ることです。
○中真からのメッセージを受け取る
「本来(あるがまま)の自分」を「Rさん」と呼ぶこととします。Rさんは生まれた時から中真に存在しています。Rさんはいつも今の自分に話しかけていますが、硬盤層があるときはそのメッセージを受け取ることが出来なくなっていました。でも硬盤層が消えた今は、また会話が再開できるようになっています。しかし、Rさんは言葉で話しかけてはくれないのです。Rさんと会話するにはコミュニケーションツールを身に付けなければなりません。
時には「ひらめき」として直接メッセージを受け取るときがあります。しかしこの方法は常に使えるわけではありません。普段は感情を使って話しかけてきます。自分の感情が常にどのような状態にあるかを意識して観察してください。モヤモヤする・イライラする・ワクワクする・穏やかで透き通っている など、それぞれ自分の言葉で自分の内面を表現できる言葉を見つけてください。次第にどのような感情が自分に何を語りかけているのかがわかるようになってきます。おおむねネガティブな感情は自分の中に改善するべきポイントがあることを教えてくれ、ポジティブな感情は進むべき方向が間違いないことを教えてくれています。
しかしその前に、内に向けた自分のアンテナの感度を上げていく必要があります。感情を波でたとえるなら、海がなぎでとても静かな状態を心の中に創りだすことです。いろんな波で荒れている状況だと、どんな波が今打ち寄せているのか判断できません。そして「なぎ」は自分の姿勢を正すことで創りだせます。見た目の姿勢を正すこともそうですが、日々の生活を規則正しく過ごすことです。早寝早起きや整理整頓、掃除や日々の仕事を丁寧に積み上げていくことです。生活の基本動作を続けることは意外と辛いものです。今までおろそかにしていたことは特にそうです。それでも続けていると、その辛さが消えてゆきます。自分にとってその動作が当たり前になるところまで頑張って続けましょう。
自らの内面と日々向き合い、心を穏やかに保ち、感情の変化に気づけるようになれば、あなたはすでに「あるべき自分」に向かって変化が始まっています。それはRさんが表面に出てきて今の自分と融合が始まっていることを意味します。
以前の自分のように、「○○のような自分になりたい」と強く願い、その方向に進むための方策を必死に探し、努力を重ねなくても、あなたは勝手にあるべき自分に向かって歩み始めています。
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