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2015年6月

むすび通信118号(農哲:味②)

2015.6.11発信)

 

○本物の味

 

みかんの味に話を戻します。

みかんの酸を高める(維持する)ためにはどうするか。それは酸を落とす方法(人工的ストレスを与える)を行わないことでした。ちなみに、最大の人工的ストレスは、除草剤や消毒の散布です。

この結果、酸はもちろんしっかりと残るのですが、味に深みを感じるようになってきました。それはミネラルやビタミンといった酸以外の栄養素も、しっかりとみかんの中にストックされてきた証拠です。

 

そして年配の方々に私たちのみかんを食べていただくと、「昔のみかんの味だ!」と喜んでくれます。

人間は美味しいものを求めて日々努力を重ねてきました。しかし、本物の味は昔からそこに存在していました。

本物の味とは本来の味であり、本来の味は頂く側に喜びを与えます。そしてそれは、与える側の喜びでもあります。

 

○循環

 

全ての生き物は、大きな循環の中に組み込まれています。植物は食べられることを使命として生まれてくるように、次にバトンを渡すこと、誰かの役に立つことが、使命を全うすることになります。感謝の連鎖が、循環を成立させます。

そして人間だけが例外であるはずもありません。私たちが生まれてくる使命も「誰かの役に立つ」ことであるはずです。

 

では、自分の使命がしっかりと果せるような生き方をしているかどうかは、どのようにしてわかるのでしょうか。本物の味を味わった時に、身体が感謝のメッセージを届けてくれるように、使命に沿った生き方をしているとき、魂は感謝のメッセージを届けます。そしてそのメッセージは「喜び(ワクワク感)」です。

何が正しいかを頭で考えるのではなく、自分の感覚と向き合い、自分の内面から湧き出てくるメッセージに耳を傾けましょう。

 

「味なこと」とは「気が利いたこと」という意味ですが、それは相手のためになることという意味ではないでしょうか。絶えず相手のことを思い、相手に感謝される行動を選択する、そんな味のある人でいたいものです。

 

そして作り手は、作物の気持ちを思い、全てに感謝し農作業を行うことが、作物の味を作っていきます。作物の味に、作り手の味が映し込まれていきます。

 

(「味」終わり)

 

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むすび通信117号(農哲:味①)

2015.6.11発信)

 

○みかんの味

 

みかんの味は酸と糖のバランスで決まる、と言われています。

そして、消費者は甘いみかんが好きだから、「糖を上げて酸を落とせ!」と言われます。誰が言うかというと、流通業の人たちです。

農協は、糖を上げる方法や酸を落とす方法の普及に努めます。さらに品種改良も加わって、昔と比べると甘いみかんが店頭に並ぶようになりました。

 

しかし、今売られているみかんは本当に美味しいのでしょうか。炭酸が抜けた甘いだけのソーダ水を飲んでいるような感じがします。みかんには酸が不可欠です。なので、酸を落とす方法ではなく、酸を高める方法を探しました。しかし、見つかりません。

酸は、最初からそこに有ったのです。

 

植物は栄養素を生み出します。

正確には、他の生物に食べられるために栄養素を生み出します。自分が生まれてくる使命は、「食べられること」って凄いですね。

 

○ストレス

 

みかんは、酸やビタミンといった栄養素を生み出すことを使命として生まれてきたのです。だから酸は最初からあった。では、その酸をどうして落とさなければならないのでしょうか。酸が下がれば、糖の甘さが相対的に表に出てきて、甘味を強く感じるからです。

そしてその落とし方ですが、概ね「人工的ストレスをみかんの木に与える」ことでした。

 

自然界にはストレスはたくさんありますが、それは試練であり、その生き物を強くもします。しかし、人工的ストレスは「余計なこと」であり、それを排除しようとします。

人間は、「有ってはならないモノ」が体内に入ってくるとそれを体外に排出しようとしますが、植物も同じです。

植物の身体全体に消毒がべったりまとわりつくと、その化学物質は葉っぱからも吸収されていきます。しかし、植物はそんなものはいらないと言ってそれを押し出そうとする。その時、免疫機能が発動されます。

免疫機能は複数の栄養素のチームプレイで行われます。

 

この時、自ら生産した栄養素である酸を、自らの身をストレスから守るために消費してしまいます。

 

酸だけが消費されるのであれば、嗜好の問題かもしれません。しかし、酸と同時にミネラルやビタミンといった他の栄養素も同時に消費されてしまうのです。

この結果、人工的ストレスによって酸が落とされたみかんは、他の栄養素も失われ、甘いだけの平板な味となるのです。

そしてこれは野菜も同じです。慣行農によって育てられた野菜からは、野菜が本来持つ様々な栄養素が確実に失われています。

 

○美味しさ

 

美味しさとは何かを改めて考えてみましょう。味は舌で感じます。そしてバランスがとれた味を美味しいと感じるのでしょう。また、おふくろの味といった過去の記憶と結びついた味もあります。皆が美味しいと言っている味や高級レストランで食べた味など、美味しい味のデータベースが脳には出来上がっており、下で感じた情報と照らし合わせて判断しています。

しかし、舌(脳)が感じる美味しさとは別の美味しさがあるように感じます。それは、その食べ物が口の中から消えた時、すなわち舌が感じる美味しさから解放された時、強く感じます。

 

例えば、喉の奥に何かがまとわりつくような、雑味を感じる時があります。それはあってはならないモノが食べ物の中に含まれていた時に感じます。化学調味料などがそうですが、みかんのような生ものを頂いたときにも感じます。いったいその雑味の正体は何でしょう。

 

雑味がない食べ物を頂いた時、後口がすごくスッキリします。自然農で育てたみかんの場合、透明感のあるスッキリとした味になります。

その食べ物が本物かどうかは、後口が教えてくれます。そして後口を味わっているとき、身体の奥の方から、太陽の陽だまりにいるような、柔らくて暖かい感覚が湧き上がってくるときがあります。

これは、身体が「ありがとう」と言っているサインのように感じます。身体は何に感謝しているのでしょう。身体が求めていた栄養素を受け取った時、身体全体で喜びを表現しているように思います。それが「美味しい」ということです。

 

身体がいつも必要な栄養素で満たされているためには、バランスの良い食事が重要でした。しかし、見かけだけが野菜の、バランスが崩れてしまっている野菜をいくらバランスよくとっても、バランスが良い食事にはなりません。ひとつひとつの食材に、しっかりと本来の栄養素が詰まっている食事こそが、バランスの良い食事です。

 

(以下、続く。)

 

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むすび通信116号(農哲:病気と害虫②)

2015.6.9発信)

 

○弱いものが攻撃される

 

肉食動物は、子供や怪我をしている動物など、捕獲する対象には弱い動物を選びます。

無農薬で栽培された野菜には虫が付きます。そして、「この野菜は虫に食べられているので安心です。」といった言い方をしますが、それは必ずしも正しくありません。

虫に食べられるのは、その野菜が弱いからです。

 

子供など、成長過程にある弱さは別にして、一般に弱いとは、不完全であるという事で、不完全なものは取り除こうとする自然界の力が働きます。

 

自然農の畑では、「余計なモノ」は畑に投入しないので、それが理由で虫を引き寄せることはなくなります。それでも野菜が虫に攻撃されることがあり、それは土がまだ完成していないからです。栄養素のバランスが円へと近づいたからといって、それだけでは土が完成したとは言えません。

 

○空気が抜けている状態

 

バランスが崩れている状態の例として、3つめに「空気が抜けている状態」と書きました。これは、ゴムボールを例えにした言い方ですが、ここで言う空気とはエネルギーのことです。エネルギー圧が低いと、外からの攻撃を受けます。

 

私たちは生命エネルギーの正体は電子であると考えています。ですから、空気が抜けているとは「電子圧が低い」ということです。

電子(イオン)は、地球上に様々な流れがあり、電子が噴き出している(電子圧が高い)場所を「イヤシロチ」と呼びます。電子が吸い取られる(電子圧が低い)場所が「ケガレチ」です(「酸化と還元-未作成-」参照)。

 

地球上の電子の流れを活用した農法が『静電三法』という本の中で語られていますが、電子は、微生物の力を借りて新たに生み出すことが可能です。

それは発酵によって電子が生み出されるという事ですが、発酵は複数の微生物のチームワークによって行われます(「発酵と腐敗-未作成-」参照)。

 

土の中で様々な発酵がスムーズに行われるためには、多様な微生物が土中に存在していることが重要です。栄養素のバランスが円であることが重要であったのと同様に、微生物のバランスも円であることが重要です。

多様な微生物が共存し、そのバランスが円に近付くと、土中で様々な発酵がスムーズに行われるようになり、そこで電子が放出されるので、土中の電子圧は上昇し、そこで育つ野菜の電子圧も上昇します。

 

野菜の電子圧が高くなると、虫から攻撃されにくい、健康な野菜となります。しかしこれは、虫に食べられている野菜はダメな野菜と言っているわけではなく、自分の身体の一部を虫に食べさせることで虫と共生している野菜もあります。

虫が食べるというサインは、「改善の余地あり」というサインです。虫に食べられることは、変化のプロセスでは重要なプロセスです。そのサインに気づいてあげることが大切です。

 

○腸内環境を整える

 

土は、表面は胃の役割を担っており、土中は腸の役割を担っています。

野菜の電子圧を高めるためには、土中の電子圧を高める必要があり、そのためには多様な微生物が共存し、様々な発酵がスムーズに行われることが重要でした。

 

人間が健康であるために、「腸内環境を整える」ことが重要ですが、それは土中の環境を整えることと同じことです。腸の中で多様な微生物(善玉菌)が共存し、様々な発酵がスムーズに行われるようにすることです。

そのことで、体内で電子が生み出され、身体の電子圧が向上し、病原菌等の外からの攻撃を跳ね返すことができます。これは「高きから低きに流れる」という法則によりますが、それですべてが防げるのではなく、あくまでもリスクが低くなるという意味です。

 

腸内環境を整えるためには、多様な微生物(善玉菌)を体内に取り入れることが重要で、それには味噌や醤油といった発酵食品を食することが有効です。種を仕込まないと芽が出ないのです。

しかし、種を仕込んだだけでは不十分で、それらの芽を出して腸内で増やしていく(菌密度を高める)必要があります。

ここで、人間の意識が重要な役割をします。人間の身体は高度な波動発生装置でもあります。愛・感謝といった良い波動を生み出すと、その波動は善玉菌と共鳴し、エネルギーの引き渡しが起こって、腸内は発酵状態となっていきます。

一方、憎しみ・妬みといった悪い波動を生み出すと、その波動は悪玉菌と共鳴し、エネルギーの引き渡しが起こって、腸内は腐敗状態となって、「腹黒く」なります。

 

畑においても同じ現象が起こります。作り手の意識が土中環境と共鳴するのです。

土を本物にする最後の決め手は、作り手がたえず愛・感謝の波動を放出して農作業することなのです。

 

これが、「愛と感謝の循環農法」の基本です。

 

(「病気と害虫」終わり)

 

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むすび通信115号(農哲:病気と害虫①)

2015.6.9発信)

 

○完全な形

 

みかんの栽培を続けていると、土の成熟(成長)とともに、みかんの色・形・味も変化していくのが解ります。その変化は、みかんが「あるがままの姿」に戻っていくのを見せられているのだと感じます。

 

みかんの種類によっても「あるがままの姿」は違いますが、一般的な姿としては、形は円形に近づき、色は濃く、皮にはたるみがなく、そして美味しい!(「味の秘密-未作成-」参照)

そんなみかんの姿は、しっかりと空気が入っているゴムボールを連想させます。

 

この世のすべては完璧にできている。その完璧さをイメージで表現するなら、「(しっかりと空気の入った)ゴムボール」だと思います。

形は球(円)です。そして素材はゴム。様々なストレスに柔軟に対応できる、強さと柔らかさが必要です。そして内部がエネルギーでしっかりと満たされていることです。

 

○余計なものを消す

 

この世のすべては本来完璧なのに、現実はそうではない。それは、何らかの理由によって、完璧な姿が崩れているからです。崩れている今の状態が本来の姿ではありません。

そして崩れたらどうなるか。全ては元の姿に戻ろうとします。元の姿に戻す方向に、自然界の力が働きます。

 

「崩れている状態」とはどのような状態でしょう。一言で言えば、「バランスが崩れている」ということですが、概ね以下の3つが考えられます。

・有ってはならないモノがある状態

・なくてはならないモノがない状態

・空気が抜けている状態

です。

 

「有ってはならないモノ」とは、農薬や化学肥料等の化学物質であったり、必要なモノ(栄養素等)だけれども、それが過剰に存在する場合などです。

そのようなモノが存在すると、自然界はそれを消し去ろうとします。「消す」とは微生物や虫に食べさせることであり、体外に排出する(デトックス効果)ことです。

 

不要なものを消し去るために、特定の微生物や虫が大量発生します。その現象を人間は、病気や害虫と呼びます。しかし、虫に良い虫も悪い虫もありません。虫はただ、自分の使命を全うするためだけに生まれてきます。しかし、慣行農では、それらを消し去るために消毒散布し、新たな病気のタネをまいています。バランスを崩しているのは人間です。

 

○なくてはならないモノ

 

植物も動物も、不要なモノが体内に入ってくると、それを体外に排出しようとします(デトックス効果)。生き物はこのような免疫機能を多数持っていますが、そのような機能は複数の栄養素のチームプレイで発揮されます。

この時、何か一つでも栄養素が不足していると、その機能は発動しません。これが、「なくてはならないモノがない」状態です。免疫機能が発動されないと、やはり病気を引き起こします。

病気は、バランスが崩れていることのサインです。

 

人間には、自ら生み出せない必須微量栄養素が五十数種類あると言われています。それらはビタミン・ミネラル・酸ですが、これらの栄養素が、何かが突出することなく、バランスよく絶えず体内に存在している状態が、健康な状態です。そして栄養素がバランスがとれている状態を絵にすると、それは「円」です。

 

完成された土とは、必要な栄養素で十分に満たされている土です。その形は円となりますが、円が崩れていると、不足している栄養素を生み出してくれる草を生やします(「草」参照)。

人間は食べ物によって栄養素を体内に取り込みます。なので、バランスの良い食事が健康のためには重要となってくるのですが、その食材そのものがすでにバランスを崩していることが今日の社会の大きな課題です((「味の秘密-未作成-」参照)。

 

(以下、続く。)

 

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むすび通信114号(農哲:草④)

2015.6.6発信)

 

○種を仕込む

 

土には様々な種がすでに仕込まれています。そしてその時々によって、土の声を聞いて必要な種にスイッチを入れます。

土の声に柔軟に対応できるのも、多様な種がすでに仕込まれているからです。

人間にとっての種は「経験」かもしれません。いえ、経験によって学んだ「知恵」です。

人生において、経験に裏付けされた知恵をストックしていくことは、様々なストレスに柔軟に対応する強さをもたらしてくれます。

目の前に現れる経験に、無駄なものは一つもありません。それを経験し、知恵に昇華していくことを魂(心)は望んでいます。

 

知識も時には重要です。しかし、頭で学んだ知識だけでは、自分の心の成長にはつながりません。得た知識は「実践」という行動によって、知恵となります。(「意識とエネルギー-未作成-」参照)

目の前に現れる試練から逃げることなく、向き合って乗り越えることが、強くて柔らかい心を持つ人へと変えていきます。

 

○心の成長

 

土の成長は、草を刈ることで促進されると述べました。そしてその草は、土の声(ニーズ)を聞いて生えてくるとも述べました。

 

人の前に現れる試練(課題)は、その人の心(魂)のニーズを聞いて現れます。現れるのには理由があるのです。そして大切なことは「刈ること」です。

その試練から目をそらすことなく、向き合って乗り越えていくことが「刈ること」です。

刈らない限り、心は同じニーズを発し続けます。同じ課題がいつまでもその人の前に現れます。

刈っても、新たな草(課題)が目の前に現れます。しかし、それが「成長」なのです。課題が変化することで心も変化しているのです。

 

心の成長にゴールはなく、課題に尽きることはないけれども、「刈る」という行為は知恵を生み、柔らかい心へと変化させてゆきます。そして目の前に現れる課題も柔らかい課題へと変化していきます。

柔らかい課題とは、楽しみが伴う、今生で体験したかった本物の課題です。

 

本物の課題を体験するためにも、目の前の草(課題)を「今、刈る(行動する)」ことが全てです。

 

(「草」終わり)

 

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むすび通信113号(農哲:草③)

2015.6.6発信)

 

○草の管理:抜く

 

「刈る」より「抜く」ほうが、より丁寧な作業だし(実際に時間もかかります)、可能であれば抜いたほうが良いようにも感じます。

しかし、「抜く」より「刈る」方が良いのです。

 

「抜く」とは根っこを引き抜くことですが、それをすることで周りの根っこにダメージを与えます。木の根っこであればそれほどのダメージにはなりませんが、野菜の根っこであれば野菜を弱らせます。根っこを傷めると全体が傷みます。

 

「刈る」と根っこはそのまま土中に残ります。そしてそのまま枯れてゆきます。刈れた根っこは微生物のエサとなり、微生物の成長を助けます。そして微生物が根を食べた後は隙間となり、多孔質の土へと変わってゆきます。

 

○土のメカニズム

 

少し話を戻して、刈り取った草を土の上に置いておいた後の変化を見ておきます。

刈り取った草や落ち葉などは、土の表面において、微生物の力で分解が始まります。

ある程度の大きさまで小さくなると、それは土の中へと運ばれ、さらに小さな物質へと変化します。土の表面に横たわった有機物は、やがて無機物へと変化し、根っこから植物に吸収されます。

 

土の表面は、人間に例えれば「胃」の役割を持っています。そして土中は「腸」です。胃によって前処理が行われた食べ物は、腸へと送り込まれ、徐々に消化が進み、最終的には吸収可能な無機物となって、腸から吸収されていきます。

 

刈り取った草が、吸収可能な栄養素となるには、多様な微生物の働きが不可欠なのです。

 

自然農においては土を耕すかどうかも、重要なテーマの一つですが、刈ったばかりの草を土中深くにすき込んではいけません。それは胃で未消化の食べ物をいきなり腸に送り込むことと同じです。本来そこに有ってはならないものがそこに現れると、それを消し去ろうという自然の力が働いて、病気という現象を引き起こします。

土の中にも秩序があります。

 

有機物が分解されると、その分子量は小さくなり、やがて人の目には見えない小ささになっていきます。有機が無機に転じると、そこに存在したもの(有)が見えなく(無)なります。

一方、無機は有機を創り出す部品でもあります。土の中が無機で満たされた土は、新たな命(有)を生み出すエネルギーで満たされます。だから作物が育ちます。

 

仏教でいうところの「空」は、「そこには何もないがすべてがある状態」です。

微生物によって育まれた良い土は、そこに見えるものは何もないけど、新たな生命を生み出すエネルギー(全てがある)に満ち溢れています。

私たちは、畑の中を「空」で満たす農業を実践しています。

 

○多様性

 

畑の草は年と共に変化します。

ここまで、「土の声(ニーズ)を聞く」といった「内的要因」による草の変化をお話ししてきました。しかし現実には、毎年の気象の変化など「外的要因」によっても変化します。雨が大量に降ってその空間が「陰」に傾いた年は、そのバランスを元に戻すような草が生えてきます。

 

草は絶えず変化し続けるのですが、土の成長とともにその変化は穏やかとなり、多種多様な草で覆われた状態で安定します。

それでも草は変化します。

「多種多様な草で覆われた状態」とは、変化しないという事ではなく、変化に柔軟に対応できるという意味です。

例えば、何らかの理由である草が壊滅的なダメージを受けたとしても、別の草がその草の代理をして、全体としては何も変わらないように見えます。多様性とは、様々なストレスにも柔軟に対応できるという事であり、多様性=柔軟性です。「柔らかさ」こそが「本当の強さ」です。

 

強い心を持つ人は、柔らかい心を持つ人です。

 

(以下、続く)

 

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むすび通信112号(農哲:草②)

2015.6.5発信)

 

○草の働き

 

草にはデトックス効果があると書きましたが、草の主な役割は栄養素を生み出すことです。土が必要とする栄養素は、草や落ち葉、動物のフンなどによって供給されます。

また、草の種類によって生産される栄養素は異なるので、今、その土が最も必要としている栄養素を生産する草の種のスイッチが入ります。そしてその栄養素が十分供給されると、その次に必要とされている栄養素を生産する草の種にスイッチが入ります。これが、慣行農から自然農に転換後、年とともに畑の植生が変化していく理由の一つと考えます。

 

このようにして、草の力を借りて、有ってはならないモノが取り除かれ、なくてはならないモノが供給され、土が完全な姿に近づいていくと、畑の草も低くて柔らかい高い周波数(波動)を有する草で覆われて安定します。そして草の種類は豊富で多様となります。

 

草の働きは他にもあり、虫などの生命を支えます。そして多種多様な草は、多種多様な虫の命を支えます。そして根っこは微生物と共生しており、土中の多様な微生物を育み支えます。

 

根っこは土を耕す働きもします。根っこが土を突き刺していくことで、多孔質な土へと変えてゆきます。

 

○草の管理:放置する

 

草を管理する方法として、放置する(あるいは倒す)・刈る・抜くがあります。

個々の方法ごとにその違いや意味するところを見ていきましょう。

 

一つ目の「放置する」は何もしないという事であり、自然農的と思われるかもしれません。全てを自然に委ねるという事ですが、畑は生産の場であり、決して自然のままの場ではありません。人間の知恵を投入し、より良い農産物を創り出す必要があります。自然農は自然的ではあるけれども、自然を目指すものではありません。

 

「放置する」は果樹園ならまだあり得ます。草と木がすみ分けることが可能だからです。それでも農作業の邪魔になるので、「倒す」といった対応をとることもあります。草は生かしておくのだけれども、横に倒していきます。

 

この方法には長所もあります。草を刈ったり抜いたりすると、新たな草が次々と生えてきます。草を刈る(抜く)作業はエンドレスとなり、春から秋にかけて、ひたすら草を刈り続けるといった状況になりかねません。

しかし、草を倒しただけであれば、その草は生き続けており、この場所は自分のテリトリーだと主張するので、新しい草が侵入してくるのを防ぎます。

 

一方、草を放置したままでは畑の植生はあまり変化しません。これは、土の変化もあまり進まないという事でもあります。

先に述べた草の変化が最も早く現れるのが、「草を刈る」方法です。人間が草を刈ることによって、より良い土になることを手助けします。

 

○草の管理:刈る

 

その草がそこに生えてくるのには理由(使命)があります。今、その理由を「その土が求めている栄養素を生み出すため」としましょう。

草を放置したままでも、その草は土が求める栄養素(エネルギー)を生み出します。しかし、その草が枯れる時、種を作ります。種は自らが生きた証でもあるので、全てのエネルギーを注ぎ込みます。すなわち、自ら生み出したエネルギーは、土に供給されることなく、自ら自己消費してしまいます。結果として土のニーズは満たされず、次のシーズンも、またその草の種のスイッチが入ります。

 

草が成長する途中で草を刈ると、エネルギー(栄養素)の生産は中断しますが、そのエネルギーは微生物の力を借りて徐々に土に移されていきます。

また、春の草を刈ることで次に準備していた夏の草の成長が促されるなど、エネルギーの生産効率も向上します。草を刈り続けることは大変ですが、人間が汗をかく(頻繁に畑に足を運ぶ)ことにも重要な意味があります。(「○○(-未作成-)」参照)

 

ところで、公園等の公共空間に生えてくる草を丁寧に刈っている姿をよく見かけます。しかし、そこには毎年同じような草が生えていると思いませんか。

それは刈った草を「きれいに持ち去る」からです。刈った草はその場所に置いてあげなければなりません。草を持ち去ると、清算したエネルギーも持ち去ることになって、草が生まれてきた使命を果たすことになりません。なので、また次の年も同じ草の種にスイッチが入ります。

 

(以下、続く)

 

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むすび通信111号(農哲:草①)

2015.6.3発信)

 

草の話しはこれまで何度も「むすび通信」で取り上げてきましたが、「農哲」の原稿として改めて書いてみたいと思います。そして、果樹園・(野菜)畑・田では、草との向き合い方が違ってくると思いますが、後者の2つについては、改めてこうちゃんを取材して書きますので、今回書くのは「果樹園の草」です。

 

○向き合い方

 

自然農を実践する中で、草と向き合う(管理する)作業が、農作業の大きな部分を占めます。また、果樹園・(野菜)畑・田では、草との向き合い方が違ってきますが、果樹園での向き合い方を中心に書いていきます。

 

慣行農の果樹園では、除草剤を散布して草を枯らします。草が生えていない畑が、良く管理された良い畑であり、草を生やすと栄養(肥料)が草に奪われると言って嫌います。

 

自然農では、草は「放置する(あるいは倒す)」か、「刈る」か、「抜く」かのいずれかとなります。そして私たちは、概ね草は刈ります。

 

1年目の草

 

除草剤が投入されていた慣行農から自然農へと転換された畑では、まず初めに、太くて硬い、荒々しい草が生えてきます。生えてくる草の種類は少なく、1種類の草だけが群生する時もあります。

しかし、土中には無数の草のためがすでに仕込まれています。そんな中で、太くて硬い草だけが生えてくるのはなぜでしょうか。

 

土は絶えず、「あるがままの(完全な)姿」に戻ろうとします。不完全な土は完全な土に戻ろうとします。草は、その時の土の声(ニーズ)を聞いて生えてきます。

不完全な土とは、そこに本来あってはならないモノが存在する状態であり、なくてはならないモノが存在しない状態です。そして自然は、あってはならないモノを絶えず取り除こうとし、なくてはならないモノを補おうとします(「病気と害虫(-未作成-)参照」)。

 

土において「あってはならないモノ」とは除草剤や化学肥料などの化学物質であり、「なくてはならないモノ」は栄養素などです。

転換1年目の畑に生えてくる太くて硬い草は、この両者の働きを持っていますが、特に前者の働きが大きいように感じます。土のデトックス効果を草は果たしており、草が化学物質を吸収し別の物質へと変換していきます。

 

○変化する草

 

草は、時間とともに変化していきます。1年目に生えてきた太くて硬い草は徐々にその姿を消して、低くて柔らかい草が増えていきます。そして、草の種類は多様になっていきます。

 

草の状態が変化するのは、土の状態が変化するからです。その時の土の声(ニーズ)が変化します。太くて硬い草が徐々にその姿を消していくのは、その草が生えてきた使命が終わるからです。

見えない世界(土)の姿は、見えるところ(草)に現れます。土と草は表裏一体です。

 

○種の由来

 

では、新たに生えてくる草の種はどこから運ばれてくるのでしょう。草の種は、風が運んだり鳥が運んできます。しかし、徐々に変化する草の種類は、「その都度運ばれてくる種の種類が変わるから」、とは思えません。そんなに都合よく、その時必要な草の種がその都度運ばれてくるとは思えません。

草の種は最初からそこに有りました。

 

土の中にはすでにたくさんの草の種が仕込まれています。

転換一年目の畑では、化学物質のデトックスが最重要課題となるために、それを除去する力を持つ、太くて硬い草の種にスイッチが入って、その種が芽を出します。

土が変化すると新たな種にスイッチが入ります。その仕組みは不明ですが、土はそれぞれ固有の周波数(波動)を有しており、土が変化するとその周波数も変化し、新たな周波数と共鳴する種にスイッチが入るのではないかと考えられます。

 

ここで大切なことは、種は予め全て仕込まれているという事、そして最適なタイミングでその種が働き始めるという事です。

 

(以下、続く)

 

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むすび通信110号(農哲:根っこ②)

(前号からの続き)

むすび通信109号(農哲:根っこ①) 

 

○外見と内面

 

人間にも見えるところ(外見)と見えないところ(内面)があります。

それは物質的世界と精神的世界でもあります。

両者は表裏一体で、お互い連携し、絶えずバランスをとろうとします。どちらかが崩れるともう一方も崩れます。生活が乱れると心も乱れます。

 

生きる型(生活のリズムなど)を正していくと、内面が正されていきます。そして内面が素晴らしい人は、見た目の姿も素敵になります。

 

内面は「根っこ」でもあり、人間もその根っこを深く突き刺すことで、ブレない人生を歩むことが可能となります。

根っこを深く突き刺すためには、特別なことをするのではなく、日常を正すことが重要です。早寝早起きや正しい呼吸、清掃などが有効です。そして、根っこは日々少しずつ成長していくものなので、それらの行動を丁寧に継続していくことが必要です。

 

最初は意識しなければできなかった行為も、いつの間にかその行動は自然にできるようになっています。表面的な行動も、それを続ければ内面に刷り込まれていき、内面が追い付けば、今度は行動を助けます。

 

続けることが大切です。継続こそが力となります。続かないことは、その人にとって「偽物」です。それをする資格がまだないという事です。

 

○根っこで繋がる

 

根っこの先端は、植物にとっても人間にとってもアンテナです。そこから情報やエネルギーを受け取ります。

 

畑で育てている作物と、作り手の人間は、お互いの根っこでつながっています。作り手が自分の根っこを育てることは、「作物の声を聴く」力を育むことでもあります。自分の根っこを育てていけば、作物が今、何を求めているかを感じることができるようになります。

 

一方作物にも、作り手の気持ちを受け取る力があります。作り手がイライラした気持ちで農作業をすると、そのイライラは作物にも伝わります。その結果、作物が元気でなくなったりもします。

 

作物(植物)と作り手(人間)も表と裏の関係にあります。絶えずバランスをとり、お互い影響しあいます。健康な作物を作るためには、作り手の心も健康にしていかなければなりません。

 

地球と人間(人類)の関係も同じです。地球規模の自然災害も、人間の心が病んでいるために引き起こされているのかもしれません。

この世に存在するすべてのモノは、お互いの根っこを介して「一体」となっています。

 

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むすび通信109号(農哲:根っこ①)

2015.5.29発信)

 

野菜にとっても果樹にとっても、根っこはとても大切です。しかし根っこは見えない。この見えない根っこを如何に見るかが、農業をしていくうえではとても重要と考えます。

 

○アンテナ

 

根っこの先端は、植物にとってアンテナの役をしています。そこから情報やエネルギーを受け取ります。地球の中心から発せられる情報はとても大切なものなので、地球の中心に向かって、深く根を伸ばそうとします。

そして、深く突き刺した根は、倒れません。根っこは量があればよいのではなく、突き刺す力が大切です。深く突き刺した根っこを持つ作物は、とても健全で力強い作物となります。

 

しかし、数十センチ下に硬い層(硬板層)があると、根っこはそこを突き抜けることができません。そこでは滞留が起こり、腐敗しているので、そこに触れた根っこはダメージを受けます。根っこを健全に保ち、深く突き刺していくためにも、この硬板層は取り除かなければなりません。(詳しくは「天地返し」参照)

 

根っこに必要なものは、電子と酸素です。もちろん栄養も必要です。酸素も栄養も土中の微生物によって生み出されますが、電子は地中に流れているので、そちらに向かって根を伸ばします。

しかし慣行農では、栄養(肥料)は土の表面に存在するので、根っこは混乱し、表層に向かおうとします。根っこの健全な姿を維持していくためには、過剰なエサを投入することは危険です。

 

○せん定

 

見えない根っこを見るための方法は、見えるところを観察することです。地上(見えるところ)と地下(見えないところ)は相似形になっています。

見えるところに見えない「こと」が現れるのです。

 

果樹園の農家にとって、最も難しい技術の一つがせん定技術です。地上の形をどのように整えてあげるかという問題です。

しかし、根っこの形を想像して、根っこのように枝を伸ばしてあげれば、せん定はうまくいきます。でも根っこは見えないのでした。

根っこには深く下に進もうという性質があります。そしてせん定技術の一つに「切り上げせん定」というのがあります。これは枝を上に誘導していくせん定方法です。見える姿(枝)を上に誘導してあげることで、見えない姿(根)を下に誘導することができます。

見える姿を正せば、見えないところも正されます。

 

しかし、梅の木のように横に根を広げていこうという木もあります。このような木で切り上げせん定をすると、地上と地下のバランスが崩れて、どこかに問題が出てきます。見えるところ(表)と見えないところ(裏)は「表裏一体」です。

お互いが絶えず連携し、バランスをとろうとします。

 

○ダメージ

 

根っこが元気に育っているかどうかは、新芽の状態を見ればわかります。勢いよく新芽を出す作物は、同時に新根も出しています。

台風など、何らかの理由で根っこにダメージを受けた時、地上の部分を枝を切るなどしてできる限り少なくします。すると、植物の負担が軽くなり、切ったところから新芽を出そうとします。新芽が出ると新根も出て、根っこの再生が始まります。

 

逆に樹勢が落ちるなどして、新たな芽を出したいときは、根っこに働きかけます。

例えば、こうちゃん肥料(「堆肥」参照-未作成-)を土の中に埋め込みます。すると、肥料の中に住んでいた微生物と根っこの先端が接触し、根っこが活性化します。

根っこが活性化されると新芽も出して、樹勢の回復につながります。

 

苗木を植える時も根っこがポイントです。

根っこを光合成細菌等の微生物溶液に漬けてから植えると、活着がスムーズに進みます。

 

(以下、続く)

 

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