むすび農園の試練
むすび農園は1~5号地と5カ所にあり、今年からは楽光農園が加わって、6カ所で無農薬・乳酸菌栽培を実践しています。
1号地と2号地は山の上に有り、5年以上耕作放棄されたみかん園を開墾して畑を復活させました。連続している畑なので2カ所に分ける必要はないのだけれども、開墾の時期が1年ずれています。
開墾した当初はイノシシのマンションと化しており、数多くのねぐらを発見しました。
その後、イノシシ柵を設置したこともあり、イノシシの姿はあまり見かけなくなっていたのですが、イノシシ柵は1年しか持たないといううわさが昨年頃から聞こえだし、どうやら柵の下に穴を掘って、どこでも自由に行き来できるようにしているようなのですが、それに加えて個体数も一気に増えてきて、今年からイノシシの害が急激に増えてきました。
1号地と2号地は、耕作放棄の関係で、もともと植わっていたみかんの木は多くが枯れており、苗木を植えるのに4年かかりましたが、今では全域に苗木が植わり、その数は200本以上です。
同時にみかん以外の果物の木も植えていきました。
その中でも僕の自慢はリンゴの木で、丸4年がたちましたが、背丈は2メートル以上に育ち、今年はピカピカのリンゴが十数個実ってくれました。
ところが・・・
先日の台風の後に、乳酸菌散布のために畑に行ったところ、そのリンゴの木がなぎ倒されていました。
一瞬台風かと思ったのですが、明らかに異常な圧力を受けてなぎ倒されている。そして実っていたリンゴがすべて姿を消していました。
イノシシに倒されたのです。
その後、姫リンゴ・かりん・なし・プルーンと被害を受けました。
これらの木に共通していたことは、実っていたこと。
実を食べるためにイノシシが木をへし折ったのです。
丸4年と言っても、植えてから勝手に4年が経過したのではなく、水をやり・草を刈り・乳酸菌散布し・・と世話をし続けての4年でした。
パパ、今まで育ててくれてありがとう! これからは僕も働くからね!
そういってくれていたあの子たちの命が、理不尽に突然消されてしまいました。
実をつけたために、殺されました。
同じく期初に植えたみかんの木も、立派に育ってきており、今年は多く実をつけています。
しかし、このままだと彼らもイノシシにやられてしまいます。
彼らを救うために実っている実をすべて落とすべきなのでしょうか。
でもある程度木が育つと、実らせて、その重さで枝をしならせ、木の形を整えていかなければなりません。
みかんが実るころは周り一面みかんが実っているので、イノシシの攻撃は避けられるかもしれません。
しかし・・彼らは美味しいみかんを狙うのです。
そしてむすび農園のみかんは木で完熟させます。まわりのみかんが姿を消していってもそのままならせておかなければなりません。
どこかで集中攻撃をうけそうです。
畑も行くたびに荒らされており、いろんなところを掘り返されるとともに、石垣が崩されるといった被害が出ており、これから畑として維持していくことができるのだろうか・・と、とても不安です。
1号地と2号地は僕の一番のお気に入りの畑で、「みかん精みかん」を育んでくれるとても条件の良い畑です。
そこで働いているときは心が休まり、次は何をしようと言うアイデアもとめどなく浮かんでくる畑でした。
ところが今、僕の心が拒否して、その畑に足を運ばせることができなくなってしまいました。
行くと必ずどこかが新たに破壊されています。
その現実と向き合うことができません。
そこに自分のエネルギーを注ぐことができません。
「むすび農園の試練」ではなく、僕の心が今、試されています。
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