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農作業報告など(2011年12月)

○むすび農園

「むすび農園」は、今はひたすら熟成をさせている時期なので、農作業はしていません。

むすび農園の今の状況は、ブログ右側のアルバム「むすび農園」をご覧ください。

今回は、慣行農を中心に、みかん農家の今をお伝えできればと思います。

 

12月は農作業のピーク

みかん農家にとって、12月は最も忙しい時期です。我が家も同じで、日の出から日の入りまでひたすらみかんの収穫作業をしています。

地域で最も高齢となった父が、今でも元気に畑仕事してくれていることはとてもありがたいことなのですが、収穫しにくいところや運搬は私の担当なので、結構きつい農作業となります。

収穫してきたみかんは、そのまま農協に持ち込むといった農家もありますが、多くの農家は自ら出荷したり、貯蔵用の木箱に詰め替えて貯蔵します。このような作業は夜に行う(よなべ)のですが、私は日中の作業でバテバテなので、雨の日に対応したり本来みかんの収穫をしなければならない時間帯に対応しています。

 

○規格外みかんの大量発生

貯蔵用の木箱に詰め替える作業は、みかんを一つ一つ確認をしながら、商品にならない(規格外)みかんを取り除いていきます。今年はこのみかんが大量に山積みされてきます。そしてこのようなみかんはジュース用として農協に持ち込みます。生産者や場所が違えば、この状況も変わってくるので、すべてがこのような状況ではありませんが、ジュース用みかんが供給過多になっているのは間違いなく、値段も暴落しています。

現在の農協引取り値段はコンテナひと箱あたり100円らしいです。コンテナにはおよそ20キロ入るので、1キロ5円となります。持ち運ぶためのガソリン代とどちらが高いか・・といった状況です。

本当なら園地に廃棄するのが良いのでしょうが、百姓はなかなかそれができません。そんな、収穫しても売れないみかんであっても、一つ一つ手で収穫をします。そのまま木に生らしておくと、木が弱ってしまって、来年の花を咲かせてくれないからです。

 

○無農薬と減農薬

そんな状況にもかかわらず、自然農の「むすび農園」のみかんは大きなダメージを受けるところまではいきませんでした。

自分でいうのもなんですが、「自然農はすごい!」とびっくりしています。

今年の経験を踏まえ、慣行農の父の畑は、来年は減農薬にチャレンジしようかと思っています。もう少し正確に言うなら、農薬は使用するけれども、農薬によるダメージをできる限り緩和し、本来、木自身が持つ力を少しでも引き出していこうという農法です。

これは私にとって、無農薬よりもはるかに難易度が高いです。減農薬の方が無農薬より難しいです。だったらすべて無農薬にすればよいと思われるかもしれませんが、すると販売ルートがなくなります。

 

以前、Bootの黒沢さんとお話しした時、農薬を3回しか使用していないみかんのお話をされていましたが、私の今のスキルではたった3回ではみかんを作ることができません。5回前後はどうしても必要です。他の農家はどうか詳しくは知らないのですが、たぶん7~8回は農薬散布していると思います。

 

ちなみに「むすび農園」では、乳酸菌散布を今年は11回行いました(土がしっかりと醗酵してくれば、この散布回数ももっと減らせることができるのではないかと思うのですが・・)。この話をすると「自然農も大変やな~」という感想が返ってきますが、園地はまだ小さいので散布自体はたいしたことはありません。むしろ、それだけ散布するための乳酸菌を育てることの方が大変です。一方農薬散布は、農薬を買ってきて調合すればよいのでお手軽です。実は、無農薬に切り替えるためのハードルとして、「乳酸菌を育てる」という工程のハードルが高いのではないかと思っています。

 

農作業報告ではなくなってきましたね(笑)。

さて、収穫祭が近づいてきました。皆さんに会えるのがとっても楽しみですが、正直に言って「久しぶりの休息日だ~」というのが嬉しい(笑)。

どうかお天気に恵まれますように。

 

○おまけの話し

「月と農業」という本が面白く、少しずつ読んでいますが、みかんの収穫に適しているのが下弦の月から新月前後だそうです。でも一か月以上ひたすら収穫をしている状況で、こんなピンポイントでの収穫は無理です。

さて、皆さんにお届けする「きのむすび みかん」の収穫は、1218日・19日を予定しています。月の状態がどうなっているか調べてみてください(笑)。

今勉強している内容は、「乳酸菌通信」でおいおい発信していきますね。お楽しみに。

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