« むすび通信25号(「流通」と「成長」_その3) | トップページ | むすび通信特別2号(これからの「科学」の話をしよう) »

農作業報告 2011年4-6月

むすび農園の農作業の概要(20114月~6月)をご報告します。

○今年の天候

今年は5月に台風の影響を受け、また梅雨入りも例年より早く、5月~6月は大量の雨が降りました。この天候で、梅などでは大きなダメージを受けましたが、みかんにもいろいろ影響が出ています。

異変は、花の咲くころから発生していました。

普段は、花が咲くと、花の香りで山全体がむせ返るような感じになるのですが、「なんか違う!!」と思っていたら、「今年は花の香りが薄い!!」という話があちこちから聞こえてきました。

そして次に入ってきた話が、「今年はみかんの蜜があまり取れない!」という話でした。

みかんの蜜が取れない年は、実が付かない、と言われているのですが、今年は表年なのに、種類によってはほとんどが「生理落果」している木が出ているそうです。

※「生理落果」という現象が起こります。教科書的には、「果実間および果実と新芽や根との養分の奪い合いによっておこる」現象ですが、私には彼らが戦っているようには見えません。

「自らの命を絶って、他を生かす現象」のように感じます。

○乳酸菌散布

5月~6月の降雨量が非常に多く、病気発生のリスクがとても高まったことから、時期を前倒しして乳酸菌散布しました。

429日 乳酸菌10倍 + 海水50倍 400リットル 葉面散布

516日 乳酸菌10倍 + 海水20倍 500リットル 葉面散布

6  3日 乳酸菌12倍 + 海水17倍 500リットル 葉面散布

623日 乳酸菌14倍 + 海水12倍 540リットル 葉面散布

新芽が出て葉っぱのボリュウムが増えていることから、散布する液の量が少しずつ増加してきています。

果実の状況

みかんの花の状況は、アルバムにアップしています。

今年一月に、第2むすび農園(寺口)の開墾を行いましたが、そこには、「青島みかん」が植わっています。

彼らは、長年の放置によって、著しく樹勢を低下させていました。ですからこの春は、

樹勢回復のため新芽を多く出してくれました。

でも、花もチラチラと咲いてくれていましたが、ほぼすべてが「生理落果」してしまいました。

彼らは木の命を守ることを優先させました。

今年の冬、「青島みかん」がデビューかと思っていましたが、デビューは来年以降にお預けです。

1むすび農園(丸山)は、ソコソコ実をつけてくれています。昨年の倍くらい収穫が見込めそうな状況となっています。

樹勢調査

今、むすび農園に植わっている木の一本一本の樹勢と木の大きさを調べました。

3月には、約40本の枯れ木を切ったのに、通常ならすぐに切ってしまう、ほとんど可能性のない木がさらに50本あります。

彼らはもう助かりません。

でももう少し世話をしようと思っています。

人間に5年以上見捨てられていた木なのですから、お迎えが来るまで世話してあげたいという心境です。

それ以外でも助からない木は出てくると思いますが、実をつけてくれる可能性のある「何とか生き残ってくれた木」は、

1次むすび農園(丸山) 約80

2次むすび農園(寺口) 約90

本数は寺口が少し多いですが、ボリュウムは丸山が3倍ほどあります。・・・正常に収穫できるようになったら、収穫量は1対3くらい。

これに加えて、2月には丸山に45本の苗木を植えています。

あと、2~3年かけて、元気な木が250300本を目指します。

○雑草

雑草とどう向き合っていけばよいのか、まだ答えが出ていません。

むすび農園は、開墾してから半年~1年といった期間しかたっていないので、開墾前の草のパワーがまだ土の中に残っていて、農園の全域でエネルギーが土中から突きあげてくるような状況が続いています。

夏前に一度草を刈って、そのパワーを土に入れたいと考え、この4-6月はひたすら草刈りの日々でした。

ほとんどが手作業で行いましたが、少しずつ、草刈り機も使える状況ができてきました。

夏場はもう一度、草をしっかりと生やして(我慢できる範囲で:笑)、秋に再度草刈りを行う予定です。

○カミキリムシとの戦い

無農薬でみかんづくりが成功したとしても、最後までカミキリムシ対策が残る、と言われています。

カミキリムシは、卵をみかんの木に産み付け、幼虫は木の中に潜って過ごします。そうして、穴だらけにされたみかんの木は、枯れてしまいます。

放置されたみかんの木がすぐに枯れてしまうのは、このカミキリムシの被害が主な原因です。

しかし、薬を使えない以上、カミキリムシの駆除は、ひたすら人間の手で根気強くするより手がありません。

6月の一ヶ月だけで、カミキリムシの成虫を22匹捕獲し処分しました。異常な多さです。この夏、根競べが続きます。

○おまけ

むすび農園(丸山)に、異なる畑が二つ登場しました。

一つは「シソ畑」です。

川原農園の「きのむすび梅」で梅干を作ろうと思っています。その為には、シソ葉も当然、無農薬・乳酸菌栽培で行わないと!!

というわけで、シソ畑を一角に作りました。シソはすくすく元気に育っています。

もう一つ、「ヒマワリ畑」も作りました。

これは、「福島ひまわり里親プロジェクト」のヒマワリです。今はやっと芽が出たところですが、元気になったら写真をアップしますね。

いつも応援、ありがとうございます。

|

« むすび通信25号(「流通」と「成長」_その3) | トップページ | むすび通信特別2号(これからの「科学」の話をしよう) »

むすび農園」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 農作業報告 2011年4-6月:

« むすび通信25号(「流通」と「成長」_その3) | トップページ | むすび通信特別2号(これからの「科学」の話をしよう) »