(2012.5.2発信)
前号では「プランニングの限界」というタイトルで書きましたが、今回はその続きです。
http://musubi.air-nifty.com/blog/2012/04/45-009b.html
前号では、「シナリオを放棄する」という事を書きましたが、これは組織と個人とでは状況が異なってきます。個人のレベルでは、シナリオを放棄することは比較的簡単にできますが(そうでもないですか:笑)、組織では無理だ!という声が聞こえてきそうです。
なぜなら、『組織は複数の人間が力を合わせてビジョンの達成を目指しているものであり、その為には役割分担が必要である。そして、役割分担を行うためにはロードマップすなわちシナリオが不可欠である』からです。これは正しいですか?
〇役割分担を放棄する
以前、むすび通信21号で「企業と農業の働き方の違いを考察する」というタイトルで書きましたが、この中で「共同出荷の現場」をレポートしています。
http://musubi.air-nifty.com/blog/2011/05/21-933e.html
その前後にも今回のテーマと関連する内容を書いていますので、是非再読していただきたいのですが、出荷作業は複数の人間の共同作業で行うのだけれども、その複数の人間の間で、一切の役割分担は行わない、というものです。
人数が多いほど、出荷量が増えますが、何人集まっても・どんなメンバーが集まっても、何の調整を行う事もなく、淡々と作業は進み、一定の時間で作業は見事に終了します。
もちろん、企業活動はもっともっと複雑だ! とか、出荷作業だって、注文を取って出荷先を決めるといった役割分担をしているだろう! とか、いろんな反論は出てくるでしょう。しかし、私が言いたいことは、
「今のやり方が最善であるという、思い込みは手放さなければならない!」
ということです。手放すことなしに、新しいことは入ってきません。逆に手放すことに成功すれば、既に答えは手に入れたも同然です。
〇組織の目的
しかし、「組織は計画で掲げた100パーセントの成果を上げればよい」ことを目的としている限り、このような難しいことを考える必要はないのかもしれません。それで、その組織が持続するのであれば、それもまた大切なことです。しかし、「持続する」の概念をもう一度検証しておくことは必要です。
別のレポートで、企業の目的は成長することや収益を上げることではなく、「持続することである」と書きました(むすび通信30号・32号)。分離による見せ掛けの成長から、融合による本当の成長へ、やはり組織も抜本的な見直しが必要な時代を迎えています。
組織(企業など)が生き残るためには、やはりすべての思い込みをいったん手放さないといけません。
〇組織の限界
さて、話を戻しますが、組織は「シナリオを放棄する」ことはできないのでしょうか。経営者は、「100%の成果を上げればよい」とは決して思ってはいません。例えば、売り上げを10%伸ばすことはとても困難だけれども、売り上げを2~3倍にするのはそれほど困難ではない、と言われます。これは、今までのやり方を手放すから可能となります。経営者は、絶えず大きな飛躍を目指して、様々な手を打っているものです(例えば、「遊んでいる人」をつくるとか)。
ですから、「シナリオを放棄した」究極の組織を構築することはきっと可能だと思うのですが、その答えが見つかった時、それは果たして組織という形態をなしているでしょうか。
組織という形態そのものが、既に古いシステムとなっており、組織として大きく躍進するためには、組織という形態そのものを手放す必要があるのではないかと思います。
その答えを今の私に書く力はありませんが、私の夢の一つである「育ちあいネットワークビジネスを成功させる」は一つの答えになると思っています。組織という形態を持ち込まずに、ビジネス(経済活動)を成立させます。
その実証実験を「乳酸菌楽校」+「きのむすび」で取り組んでいこうと考えています。
〇「シナリオの放棄」の別の意味
前回、「シナリオを描くという事は、自ら限界を定めていること」と書きました。このことをもう少し解説しておきたいのですが、その前に下記の過去記事を読んでいただければありがたいです。
むすび通信39号(原因と結果:前半)
http://musubi.air-nifty.com/blog/2012/01/39-f462.html
むすび通信40号(原因と結果:後半)
http://musubi.air-nifty.com/blog/2012/02/40-994f.html
この説に基づいて考えるなら、ビジョンとは未来であり原因の世界です。ビジョンを実現するためにまずしなければならないことは、ビジョンを「原因の世界」に刷り込むことです。この方法はいろいろあると思いますが、例えば、アニメ「ワンピース」のルフィーが、行っている方法、「俺は海賊王になる!」です。
自らその実現を心から信じて、それをシンプルで明確に強く発信します。ビジョンの旗を立てることが大切です。
次に大切なことは、今自分にできることと向き合い、全力で取り組むことです。この時、ビジョンは、頭の片隅においておけば十分です。ビジョンをあまり意識しすぎると、今取り組むべき行動との間に大きなギャップを感じてしまい、行動がおろそかになる可能性があります。
これが、前号で書いた私のやり方、
「ビジョン」→「プログラム」→「ビジョン」の放棄→行動→行動・・・
です。
すると、原因の世界(ビジョン)が、結果の世界(現実)にジワッと浮き上がってきます。それは予測不可能な形で目の前に現れることがあります。これがビジョンの実現であり、そこにシナリオは存在しません。
シナリオは、時間軸の延長線上に未来が現れるという思い込みによってつくられるものです。しかし、未来と現在は、今この瞬間に共存しており、そこに時間は存在しません。存在しないものにとらわれているので、そこに限界という、これも本来存在しないものが生まれます。
「シナリオの放棄」とは「時間からの解放」でもあります。
○おまけ
今回、自分の過去記事を何本か読み返しましたが、むすび通信って結構ドキッとすること書いてますね!(笑)
自分で理解するのも大変ですから、皆さんも大変ですね!
一つ一つのレポートは、その時感じたことを書いているだけなのですが、すべてのレポートは全部つながっているんだ~~と言う感覚が生まれてきました。
これを全部わかっていて書いていたら、「けんちゃんは凄い!」のですが(笑)、実態はその時に書けることを後先考えずに全力で書いてきただけなんです。
そして今回、むすび通信を書き始めるときに掲げたビジョンを思い出しました。それは、
このレポートを50号まで積み重ねたら、新しい本が生まれる
というものでした。ここまで積み上げて、やっと自分が、何を書こうとしているのか、見えてくる感覚がもてました。
きっと新しい本はできるでしょう。
これが僕流のビジョンを実現する方法です。
むすび通信のバックナンバーのURLは、下記をご覧ください。
http://musubi.air-nifty.com/blog/2011/10/post-fde5.html
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